45 成犬(ロットワイラー)のお家が決まりました【呉市動物愛護センター】
- 2008/11/12
- 23:43
サーシャの元飼主は呉市の在日米軍の軍人でした。このブログにサーシャの情報を掲載したところ、情報が寄せられ元飼主が判明しました。ご協力くださった皆さま、ありがとうございました。
ボランティア一同で米軍へお手紙を出したところ、先日お返事をいただきましたので、詳細に転載いたします。ぜひご覧ください。


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在日米陸軍第6突堤 司令部 司令官殿
初めてお手紙を差し上げます。
私達は呉市動物愛護センターで、収容動物のお世話と動物たちのお家探しのボランティアをしている呉市民及び広島県民のメンバーです。
この度は、貴国陸軍にぜひ知っていただきたい事があり、お手紙を差し上げる事になりました。
9月5日に呉市内の野呂山頂上で放浪していたロットワイラーという日本では希少種の超大型犬が、市民の通報により呉市動物愛護センターに収容されました。そこで、動物愛護センターとボランティアで飼主さんを探した所、貴国陸軍勤務者が所有している犬である事が分かりました。犬の名前はサーシャ。7才のメスです。
サーシャをよく知る方に、実際に呉市動物愛護センターに来ていただきサーシャに会ってもらった所、首輪とお尻のハートマークを確認され、間違いなくサーシャである事がはっきりとしましたが、彼女の飼主は既にアメリカへ帰国し、連絡がまだ取れません。
ロットワイラーはボディガードとして貴国で非常に人気のある犬種と聞いておりますが、その性質上、何かの拍子に豹変する可能性もあるそうです。サーシャは人懐こくとても賢い犬ですが、体と同様に声も大きく、吠えるとボランティアメンバーでも恐怖を感じます。超大型犬というだけでも非常に威圧感があるので、犬が苦手な人であればもっと恐怖を感じるはずです。更に、動物愛護センターでの調査により、サーシャは蓄犬登録がされておらず、狂犬病ワクチンも接種されていないことが判明いたしました。そのような犬を山へ野放しにして遺棄することは、呉市民の健康と安全を脅かす行為であり、一市民としても危機感を持って今回の出来事を見ています。
それと同時に、サーシャの不幸な境遇にも心を痛め、飼主としての無責任な行動にも大変憤りを感じております。サーシャをよく知る方の話によりますと、彼女は一度目は岩国の海兵隊に、二度目は今回の貴国陸軍勤務者に、と二度にわたって飼主から見放されたと聞いております。
サーシャは呉市動物愛護センターで9月17日の収容期限をもって殺処分される事になっていましたが、私達ボランティアの「サーシャを救いたい!」という要望が受け入れられ、呉市動物愛護センター所長の取り計らいにより10月1日まで期限を延期することができました。その間に新しい飼主さんを見つけてあげようと多くの方々にご協力いただいておりますが、超大型犬という事もあって非常に厳しい状況です。
私達の力だけではサーシャを救う事は難しいため、ぜひとも貴国陸軍に以下の3点のご協力をお願いしたいと思います。
・サーシャの新しい飼主さがし。
・2度と同じ事が繰り返されないよう貴国陸軍勤務者が帰国する際に、ペットも一緒に連れて帰り終生飼養をすることの徹底。
・貴国陸軍勤務者飼養の犬に蓄犬登録と狂犬病ワクチン接種の義務付け。
以上の内容をご査収のうえ、自由と平等を守る貴国陸軍が、同盟国である日本においても善処されますようお願い申し上げます。
2008年9月25日
呉市動物愛護センターボランティア一同(呉市民代表者署名)
呉市動物愛護センターボランティア
呉市民代表chiyomiさま
拝啓 紅葉の候 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
まず最初に、9月初旬に野呂山で保護された飼い主不明犬のお世話をしていただき、大変なご心配をいただきました事に心から感謝申しあげます。あなたから頂きました書簡に述べられた調査によりますと、当部隊所属の隊員が呉から転勤する前にその犬の新しい飼い主を見つけず、そのまま放棄して帰国したのではないかとの内容でした。
あなたからいただいた書簡の翻訳を拝見した後、ただちに私の側近であるジェネラルマネージャーに上記報告内容の事実確認の調査を命じました。ジェネラルマネージャーは関係したと思われる隊員(元の犬の飼い主)の同僚や友人の証言を集め調査をいたしました結果、遺憾ながらあなたからご指導いただいた内容に間違いがない事が判明いたしました。私は元の犬の飼い主に書簡を送り、今回の件はどのような状況においても決して許される行為ではなく場合によっては軍の関係規則や民法の定めにより懲戒処分の対象となりうる旨の警告を致しました。
一般的に申し上げますと、ほとんどの当部隊所属の軍人、軍属は単身赴任が原則で、軍基地内の兵舎で居住している為、ペットを飼うことは許されていません。しかしながら例外的に、特別許可を得て、家族賛同でこちらに赴任し、基地外の家族住宅や一般の借家に住んでいる隊員もおります。家族同伴の隊員のほとんどは犬や猫などのぺットは飼ってはいませんが稀に本国から犬や猫を連れてくる隊員や、日本で友人から譲り受けて飼育する者もいます。
今回ご指導いただいた事が今後起こらないように、ペットの飼い主に私から次にような司令官通達を隊員に出します。
「ペットの飼い主はペット(犬)を適切に登録し、ワクチンの接種を受ける事、また呉から転出する際には必ずペットを連れて帰るか、何らかの理由でそれがどうしても不可能な場合は、新しい飼い主を探す。」
私は司令官通達が当部隊所属の軍人・軍属により例外なく全面遵守されることを徹底させます。この度は広のある会社の社長様が動物愛護センターからこの犬を引き取り、新しい飼い主になってくださったことを聞き、大変嬉しく思っております。新しい飼い主になられた方の温かい心遣いに感謝いたします。
終わりにあたり私は当部隊隊員が今後同じ様なことを二度と起こさないように徹底指導する事を約束します。皆様方の今回のご親切、そして飼い主がいない犬を助けるなど無私無欲のボランティア活動を行っていらっしゃる事に心から敬意を表します。この書簡に関するお問い合わせ先は下記署名の私か、当部隊のジェネラルマネージャーである○○までお願いいたします。(電話番号記載)
敬具
米国陸軍中佐 司令官(署名)
追伸
本文にはありませんが、今回のお返事が事実確認の調査や他の諸般の事情により大変時間がかかってしまい遅くなってしまったことをお詫び申し上げます。今後とも宜しくお願い致します。
【2008年10月14日】
12日にサーシャに会ってきました♪
サーシャの飼主探しにご協力くださったUさん、Kさん、Mさんご夫妻とサーシャのいる会社へ会いに行ってきました。
サーシャは私たちを大歓迎してくれました♪画像のようにみんなに撫でられ、甘えて笑いも誘っていました。ところが、社長さんが近づくと全神経を社長さんに集中し、耳を下げて頭を低くして尻尾はぶんぶん。手の甲を舐めまくってすっかりボスとして信頼している様子でした。^^
社長さんはサーシャの目が赤いこと、お腹は太っているだけでなく水が溜まっている可能性もあることから、動物病院へ連れて行ったところ、フィラリアに罹っていることが分かったそうです。お薬で進行を抑える事ができるか瀬戸際との事でした…。社長さんには申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです。
毎日のお散歩で少しスリムになったサーシャ。生きていてよかったね!ご協力、応援いただいて皆さま、本当にありがとうございました。(*^_^*)
【2008年9月28日21:00】
サーシャに新しいお家が見つかりました!


昨日、呉センターの所長へお願いしてサーシャの延期が決まった後、地元呉市にお住まいのUさんから「サーシャを明日引き取って下さる方が見つかりました!」とご連絡をいただきました。Uさんはご友人のKさんと一緒に21日、センターに来てサーシャに会ってくださり、それから約20人の方に声をかけて今回のご縁に繋がりました。
今日、サーシャの引き取りに立ち合ったしげさん(ボランティアさん)からのご報告です。
10時30分すぎ、無事に新しいお家に出発しました。 優しそうな社長さんと娘さんでした。
今は犬がいないけれど、昔から好きで秋田犬やら大型犬を主に飼われていたみたいです。飼主さんの会社(センターから比較的近く)の敷地内に繋いで、社員さんが交替で散歩などするみたいです。休日も警備員がいるそうです。(←歴代の犬たちもそうしてきたそうです。)
それから、娘さんがサーシャのリードを持っている時、サーシャが犬に向かって突然走り出しましたが、娘さんはしっかりとサーシャを押さえていました。 その様子が馴れている感じだったので、とても安心出来ました。 娘さんも時々会社に遊びに行くみたいです。
ちょっと不思議な事がありました。
新しい飼い主さん達が着く前にサーシャと散歩に行った帰り間際、センターまでの坂を登っていた時です。いつもは振り向かずぐんぐん登って行くのに、やたらと下の方を気にしていました。 途中の広場でゆっくりしていると、突然、坂の下に向かって“何かを見つけた”ような顔をして歩き始めました。その直後、新しい飼い主さんとUさんたちが車2台に分乗して現れました。
何か感じるものがあったのでしょうか?
サーシャの飼主さんを日本で探すことは非常に困難だと思っていましたが、沢山の方にご協力いただいた事でとてもいいご縁に恵まれました。
Dさん、Kさん、Uさん、はるなつ2002さん、みなみさん、私達ボランティアのお願いを受け入れて下さった呉市動物愛護センターの所長さん、その他ご協力いただいた大勢の皆さま、そして何より、サーシャを引き取ってくださった社長さんに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
サーシャの件では色々な問題を知る事ができ、啓発の重要性を身に染みて感じ、課題も沢山見えてきました。また機会がありましたら、より詳細な情報をお知らせしたいと思っています。
【2008年9月28日】
サーシャの期限が10月15日に延期されました!お散歩も強く引っ張らない人の言うことをよく聞くイイコです。最近は職員さん、ボランティアさん、にお散歩へ連れて行ってもらう度に落ち着いてきているようです。



(画像をクリックすると大きく表示されます。)
【2008年9月23日】
沢山の方のご協力と情報提供から、元飼主が分かりましたが、外国人で既に海外へ引っ越しており(日本に戻る予定もなし)連絡もとれないため、新しい飼主さんを探してあげることになりました。引き続きご協力よろしくお願いいたします。(詳細を追記しました。)
【2008年9月16日】
ロットさんの収容期限が10月1日に延期しました!近づくと尻尾を振って寄って来ます。相手をよく見て行動する賢い一面も伺えます。
【番 号】 45番
【収容日】 2008年9月5日
【収容期限】 2008年
【収容理由】 野呂山の山頂で保護
【収容場所】 呉市動物愛護センター
【動物種別】 犬(ロットワイヤー。超大型犬。)
【性 別】 メス(避妊済。名前:サーシャ)
【年 齢】 7才
【毛 色】 黒(画像参照)
【健康状態】 良好。かなり太り気味。ワクチン接種済。
【問合せ先】
受付は終了しました。
【いきさつ】
野呂山の山頂に46番の柴犬と一緒にいた所を保護。
↓
某所にロットの里親募集ポスターがあるとの情報いただき調査。
↓
募集の連絡先は飼主探しを協力していた代理人。
↓
代理人の方と連絡がとれサーシャと判明したが、元飼主は海外へ引越した後。
↓
代理人の方はサーシャがセンターに収容された事を知らなかった。
↓
収容期限を延期して、皆で協力し合って新しい飼主探しをする事に決定。
【性格など】
人には慣れていますが、子犬には吠えて向かって行きます。
ボランティアメンバーにも懐いて可愛らしい目をしています。
力が強いので突然の動きも制御できる男性、大型犬の飼育経験のある方が向いていると思います。
アメリカではボディガードとして人気の高い犬種で、その性質上、突然豹変する可能性があるそうです。
ロットワイラーの寿命は8~11才と言われていますが、まだまだサーシャは元気です♪
残りの犬生は愛情に満ちた時間を過ごしてもらいたいと思います。
【譲渡について】
譲渡は毎日(正月休み以外)行っています。
●広島県内のペット可住宅にお住まいの方
●家族全員の同意を得られた方
●大型犬の飼育経験のある方
●家族の一員としてその仔の最期まで可愛がってくださる方
●呉市動物愛護センターまで迎えに来てくださる方
にお譲りしたいと思います。
譲渡に必要なものは、
●印鑑(認め印でよろしいです)
●持ち帰り用の箱など(キャリー・段ボール箱・リード・首輪等)
●登録・狂犬病予防注射料 6,050円(生後3ヶ月以上の場合)
で、アンケートにご協力していただく事になります。
見学も大歓迎ですので、お気軽にセンターまでお問合せください。
譲渡決定の情報が反映されるまでに
時間が多少かかる場合があり、
ご希望に沿えない事もありますのでご了承ください。
ここまで読んで下さった方は、
「犬を飼うってステキです―か?」もぜひ、ご覧ください。
【その他】
(最新情報が反映されるまでに時間が多少かかる場合があります。)
呉市動物愛護センター(くれアニマルパーク)
〒737-0161 呉市郷原町2380-319(グリーンヒル郷原南側)
Tel:(0823)70-3711